女医

この奥方は

近くで精神科を開業している院長です

お年は70代

旦那は高齢の為引退したらしい


だいたい3~4年間隔

つまり…忘れた頃にやってきます


この院長先生は

ある『イベント』があると必ずやって来るのです

その『イベント』とは…

選挙である


衆議院選、市議選、 都議選、 市長選 …

いろいろな選挙に関して全て首を突っ込んでいる


もちろん1人では来ない

必ず候補者も一緒に連れて来る

その中には当選して現在たまにテレビに出てる議員もいます


店に来る目当ては

わかりきっていますが

ママの人脈の票が欲しいから


お客様はいろんな地域から来てますし会社を持ってるお客様は票をたくさん持ってますからね


ただね…

連れて来るのは

必ず若い候補者


20代後半~30代前半位までの可愛いぃお坊ちゃま君達です

なので政党に一貫性がない


「あたしね政党で選ぶ訳じゃないのよ

同じ政党ならそこから出てる人なら誰でもいいって考えは嫌いなの

やっぱり人柄と将来性よこの子は出来ると思ったら応援したくなっちゃうのよ」


確か…前にそんな様な事を言っていた…

仕事柄なのか

巧みな話術になんとなく

丸め込まれてしまうNaNaであった


でもママは院長先生が来ると

待ってました

と ばかりに目が輝く


「あんた達ドンドン飲んでドンドン料理出しなさい今日は捨ててもいいからね」

私達に耳うちするママ


まず院長先生に1番高いブランデーをボトルですすめる

もちろんOK


次にママが日本酒を一本入れる

ブランデーは飲めないとNaNaが自分用の焼酎を一本入れる

ビールしか飲めないとキャサリンが瓶ビールをどんどん開ける


そして…テーブルに置けない位の料理を勝手に置く

しかし

決して文句は言わない


まっ それでも10万あれば足りる金額だけど


最後にママがその立候補者の選挙地区に住んでるお客様に電話をして住所と名前・電話番号を教えていいかを聞き

OKが出れば院長先生に教えてあげます


ほとんどがOK出しますけどね

ただ…それだけ


後は立候補者の腕の見せ所

って訳かな?


そして 院長先生は

また次回の選挙の時に若い可愛いぃお坊ちゃま君を連れて来店するのである



帰った後ママは

「ふざけろてんだ

普段来ない癖にこういう時だけ若い男連れて恥かしくないのかねあの子達も若いから断われないんだろうね」


NaNa「でも少しはうちのお客様の票が入るからあの候補者の人も来たかいがあったんじゃないですか?」


「NaNa甘い

口では『あいよっ』なんて言ってるけど本当に付き合いで投票する人なんて居やしないようちの客はそれほど馬鹿じゃないさ!ってか院長先生もそんな事知ってるさ」


ふ~ん

そんなものなのかね、なのになんで高い金出して飲みに来るんだろう?その中の1人でも投票してくれればって感じなのかな?


良くわからない世界だわ


ちなみに

「これって選挙法違反じゃないんですかぁ」


と ママに聞いたら

なんだか 選挙の公示?告示?前なら

個別訪問は許されているらしい…


これも良くわからない

おばかなNaNaでございます

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る