まさかのクビ?

早めに来たお客が帰り店がカラッポに


かなり酔っているママは

近くの居酒屋に電話


週2~3回来る2人組のお客様がいるのですが

うちに来る前に必ずその居酒屋で呑んでから来るのです


案の定

「来てますよ」

と 居酒屋の店員


『あんた達行ってご馳走になってらっしゃい帰り2人共店に引っ張ってくるのよそれからママに刺身と生春巻きのお土産貰ってきて』


私とキャサリンにそう言ったママ

はぁい

私達は速攻居酒屋へ


2人組を見つけ乱入

一杯ずつご馳走になり

ママへのお土産もしっかり頂き

今日は寄らずに帰ると言うお客を引きずりお店へ戻る


その間の時間

約30分

店に入るとカウンターで1人

退屈そうなママ


アレ?

なんか…怒ってる顔…


『おめぇらいつまで呑んでるんだよ』

私達の姿を見るや否や

怒鳴り始めた


えっ?意味わからない

ご馳走になってらっしゃい

と言ったのはママだ…


『こんなに長い時間呑んでこいなんて言ってないよふざけろてんだ』

更に怒鳴るママ


「えっ?ママ…少ししか…?30分位だと…」


『ふざけろってんだよ待ってる身にもなれってんだ』


「それに…ママお土産出来るの待ってたんですよはいお土産」


袋をママに差し出すと

『こんな物いらねぇよ』

お土産を床に叩きつけた


更にお客様に向って

『てめぇらも帰りやがれ』

悪態をつく始末

お客は(またかぁ)ってな感じでそそくさと帰りました


超常連さんで良かった

ホッ


『面白くないからママも帰る!もうあんた達は勝手にしな、それと明日からもうお店に来なくていいですから!』

怒鳴りながら出て行こうとするママ

と 私達の手元に目を止めた

『あんた達何持ってるんだい?』


「あっ私達もお土産頂いたんです」


『ふざけろ!!かせ』


私達のお土産をひったくると

外に出て店の脇にあるゴミ箱の中へ勢いよくぶっこむママ


『チッ!!』

と 舌打ちしながら

と帰っていきました


店に残された私とキャサリン…

床に散らばった刺身や生春巻きを片付けながらなんかムカついてきた2人


「キャサリン今日はもう店閉めて時間まで2人で呑も」

「NaNaチャン賛成」


速攻 看板をcloseにして乾き物をつまみながら呑み出す私達

が…途中でつまみが欲しくなった


「キャサリンなんか食べたくない?」


「うん乾き物飽きちゃったぁ」


「そういえばさっきの私達のお土産…袋に入ったまま捨てたよね…ママ…」


「見てみるか?」

外に出てゴミ箱まで行く二人


案の定お土産はビニールの手提げ袋のままゴミ箱に

「食べれるかなぁ?」


「大丈夫だよパックから出てないし」


「デモ…小バエ…とんでるよ…」


「だね…」

未練がましくゴミ箱を漁る派手なスーツとドレス姿の女2人

結局…

ゴミ箱から出して食べるのは諦めました



そして次の日…

駅前で待ち合わせをして

2人で出勤するキャサリンと私


そぉーっ

「おはようございまぁす」

恐る恐る扉を開ける私達


『おはようお疲れ様』

あらご機嫌


「昨日はすみませんでしたぁ」


『何が?』


「…えっ…ママ…あの…怒って…ない?のか…な…」


『何変な事言ってるのいいから早く支度しなさい』


……



……



覚えてねぇーし


着替えを済ませ

ママに昨日の事をかいつまんで話した


『えぇぇ~あらやだママそんな事したのかい、覚えてないわ悪かったわねぇ

あんた達お客様にも謝らなきゃねぇ、朝起きたら着物のまま寝てたからおかしいと思ったわ』


コイツ…


とぼけやがった…


イヤ

ママの事だから本当に記憶にないのかもしれない……

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