極道さん

若いカップルが入って来た

20代前半位

一見イチゲンさん(通りすがりのお客様)


初めてのお客様だ

若いヤンチャカップルって感じ


「初めてだけどいいっすか?」

うち…高いケド大丈夫かしら?


と思いつつも

「どうぞぉ」

まだ客は誰も居ないので普通ならカウンターに座るが

2人は後ろの広いbox席に…


アレ?ヤクザさん?

昔の我が家の匂いがプンプンするわ


「焼酎ボトルで下さい…つまみも適当に出してママさん達もドンドン勝手に飲んじゃって」

スナックにも慣れてる


飲みながらいろいろ話しを聞くと

一緒に来た女の子は友達の彼女でトラブルに巻込まれ

そのカタを付けに来てあげたらしい

無事終り

お祝いの打ち上げに…

何気にうちの店を選んだとの事


デモ…友達の彼女と2人で?

まっいっか


…と…

手首や首筋に 絵 がチラチラ見えるのに気がついたママ


「アンタ…それ…シールかい?」

手首を指差す

(ママ、シールって)


「アッ!はいシールです」

「ちょっと見せてごらんなさい」

男の手を握り 絵 をこすってるし


「違うじゃないの!アンタ…墨入れてんのかい?」

ここからママの攻撃が始まる


「ちょっと見せてくれないかしら?私こんな近くで見るの初めて」

「イヤイヤ、ママさん勘弁して下さいよ」


「減るもんじゃないし!いいじゃないの!ちょっと待ってて」

ママ 立ち上がり店の入口へ


ガチャ!

店の扉に鍵かけてるし…


「さぁ これで誰も入って来れないから…脱いで早く早く」

ママ捕らえた獲物は逃がしません


NaNa「ぁたしも初めて見ますぅ見たいですぅ」

私 演技派?


「しょうがねえなぁ」

と脱ぎ出した

素直な子だゎ


上半身全部脱ぎ捨てた

ズボンの裾もまくって見せる

本当は見せたかったんじゃ?クスッ


でも 凄い

首から手首足首まで全身入ってる

昔の極道だってそこまで入れてる人はナカナカ居ない


背中は龍かな?

色はまだ半分しか入っていない


「まだ途中だから恥かしいんですよ」

ハニカミ笑い可愛いぃ


何処の組か聞いたら…

父と同じだった

でも頭が低く言葉遣いも柔らかく決して威張らない

若いのに大した男だ


そして会計になり


計2万2千円

極道さん2万5千円置いて行きました


我が家の長男に爪のアカでも飲ませてやりたいゎ

(分からない方は「ぁたしンち極道一家」も読んで下さいよろしくね)


極道さんガンバ


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