あいだ


わたしが大人になったら みんなをつなげるおしごとがしたいな

だってみんな 手と足と 

体をバラバラくずして歩いているじゃない

ほんとうよ あなたは人をずっと見ていたことがないの?

曲がってはのびて ちぢんではのびて

頭をまわして 時にははじけちゃう

みんなそうなのよ

ほんとうよ! どうして信じてくれないの

あなたなんてキライ 

あなたなんて  

口から歯が躍り出て 頭から脳みそはみ出して

寒いところでバラバラになればいいのよ!


――――

――


あたしの言った通りだったわ

人は街を歩いては

自分のパーツを繋いでおけない

同じ場所に向かってる(体と頭をバラバラに)

同じ波長に足並みを揃えて(体と足をバラバラに)

同じ仮面の持ち主ね(体と顔をバラバラに)


だからあたしは

ナイフで突き刺したい

体と手と 頭と 足と 眼球

感触はあるの ないの……


――――


モノには総じて斜めの目線

画面に向かって瞬き千回(体と心をバラバラに)

瞑想すると 魂が宙に浮くようね

だからあたしがナイフで突き刺すのは

心とからだ

その間隙

その感触は?

……どこにあるの?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る