高校

 ……さー、遂にやってきてしまいました。正直、ここが我が国最大の欠陥と言っても過言ではない。高校です。


 まあ入学してからもおかしいことだらけなんですが、最初に「入試」というものにフィーチャーしていきたいと思います。


 まあ、日本であたかも当たり前のように行われている「入試」、特に学力試験ですけれども、まあ結構ヤバいものですよねこれ。


 というか、前の章までしっかり読んでくださった方はもうそのおかしさが分かると思うんですけれども……そう、人間には得意不得意があって当たり前だとお話しましたね。謎の基準を設けて努力をすればそれに届く、なんていう根性論は道理が通ってないわけです。


 ……入試ってそれの最たるもんじゃないですか?義務教育は「知っておけば日常で便利である」というものであって、「『普通』なら知らなければならない」ものではないはずなのです。それを「暗記」しているか競わせて、相対的に優劣を決定していくわけですよね。それなんの意味があるんですか?


 しかも、公立高校は大体五教科ですよね。え、なんでその五教科は「普通はできているべき科目」だとして選ばれてるんですか?家庭科や保健は必要ないんですか?お偉いさんの「なんとなく」で決められているとしか思えません。(世界で決められているとしても納得がいきません)


 人によって得意不得意があるにも関わらず、ただの丸暗記で評価しますから、「勉強」以外に得意なものがある人は落とされるのは当たり前。さらに受験科目に得意科目があっても、他に一つでも苦手があれば目もくれないわけです。相当酷いですよね。そして、何度も言うように、そもそも「教科」でまとめるのはいささか理に適ってません。


 ここまでで散々に入試制度について否定しているわけですが、さらに酷いことに、そうしたおかしな基準で落とされた人たちに対して、社会は何もしてやらないのが現状なのです。理不尽に落とされて「お前らは落ちこぼれだ」と言われて、就職すらさせてもらえません。


 就活サイト(ハタラクティブ)によると、中卒での就職率はなんと0.5%。そもそも中卒の人の数が少ないのですから、どれほど働き口がないかお分かり頂けますよね。


 今の会社は大企業だと大卒、中小企業でも高卒は当たり前。謎の基準でより分けられて捨てられた人たちは、もう社会から死刑宣告をされているようなものなのです。


 そんな状況ですから、今はほぼ高校も誰もが進学しなければならない、ということになってきます。日本の学生は、何故か義務教育ではないはずの「高校」に進学することを「強制」されているのです。


 社会的に「義務教育」のような扱いをされながらも、体裁としては「高等教育」として「入試」を実施する。これが高校の最大の矛盾点の一つです。


 義務教育なのか、高等教育(分類としては中等教育ですが、専門分野を学習するという意味であえて高等教育という語句を使わせていただきます)なのか。それをはっきりさせないことには改善もクソもありません。


 もし義務教育にするのならば、小中同様に受験なし、留年なし、そのまま卒業。にしてしまえば終わりです。


 ここからは高等教育だと考えた場合の改善点を話していきます。高等教育だと考えた場合、これは「義務教育ではない追加の教育」ということになります。つまり高卒は「普通」ではなく、それだけで「+」であるべきなのです。


 その上で、「追加の教育」ですから、小中以上に「選択の自由」が与えられて然るべきです。高校に行った人ならみなさん分かって頂けるかと思いますが、日本の高校ってのはどこ行ってもおんなじです。どこ行ってもおんなじです。大事な事なので二回言いました。


 文科省にがんじがらめに決められて、言われたことをただ教えているだけ。そこに生徒の意志なんてものは存在しません。文理関係なく一年生の時は全教科やりますし、文理選択後も自分の意志とはほぼ無関係に学習内容を決められてしまいます。(もちろん、大学受験を見越してというのはあるでしょうが、中学校の時と同様、後でご説明するので受験はないものとして話していきます)


 そんなの高等教育なんですか?


 それこそ、学校ごとに学べること(教科ではなく「こと」)が違っていていいはずです。それが文科省に決められているのがまず一点、おかしいところ。


 それこそ多種多様な学校があって然るべきで、もちろん、現状のようながんじがらめな学校があってもいいとは思いますが、それこそ「勉強」とはほど遠いゲームや、プログラミングや、絵、あるいは図形専門の高校や幕末専門なんかの高校があってもいいでしょう。それこそ今でいう「専門学校」みたいなものですね。


 むしろその各種専門学校を「高校」にすればいいんですよ。自分の学びたいことをかいつまんで学び、研究するのが「高等教育」なんですから。今の「高校」より専門学校の方が相当「高等」ですよ。


 あとは、「そんなものは大学でやればいい」と思っているそこのあなた。それでもいいでしょう。大学と統合すればいいんですよ。「高校」なんて名前取りつぶして一貫して「大学」にしましょ。中途半端に分かれてるからややこしくなるんですし。


 ということで、それぞれ好き放題やっている高校の受験は、それぞれ違います。当たり前でしょう?だって違うこと勉強するんですもん、入試が同じなんてありえない。教科って枠も不要ですね。そろばん専門の高校だったら「そろばん」ってテストがあったっていい。


 つまり大学のAO入試の発展系みたいなやつですかね。


 そしてまあ、ここからも重要なのですが、企業側は「高卒以上」とかいう条件を即座に外してください。何度も言いますが、高校は「高等教育」であり、「行かなくてはならない」ものではありません。行かないことで「-」にすることは人権問題です。


 そもそも、高校や大学行かずとも能力の高い人なんかいっぱいいるでしょうに。特にIT系なんかは。それなのに企業はそれを拾おうとしないんですよね。実に嘆かわしい。


 ちなみに現状の「学歴差別」ってのもちゃんちゃらおかしな話ですよ。なぜ能力で判断しようとしないのか。「お勉強」ができることがそんなに偉いことですか?


 さて、こんなもんですかね。なんか大学の部分もいっぺんにやっちゃった感ありますが、とりあえず高校に関してはここまでにしたいと思います。


まとめ

・義務教育か高等教育かはっきりさせる

※高等教育なら

・文科省で一律で決めない(生徒に選択肢を)

・各学校の学習内容にあった受験を

・企業側は行かなくても「-」にはしない



※※※


 さて、次は大学受験と大学について書きますかね。どういう風に書くか非情に悩ましいところではありますが、まあ次の章で。

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