ブルーハワイメイト。

小春日和。

プロローグ。

プロローグ


 ー 落ち着け、落ち着くんだ。


 俺の心臓が高速で脈を打つ。止まる事を知らず、ひたすら突き進む。


 今日を逃せば二度とチャンスは訪れないだろう。


 高校最後の夏、いつよりも青みが増した夏休み。


 ー あー、楽しかったなぁ。


 思い出すだけで胸が高鳴る。


 今日は晩夏の花火大会。去年も来た記憶が脳裏を過る。


 ー その時も綺麗だったな……。


 あいつらと、それに皆もいたんだよなぁ……確か……。


 あぁ、いけない。


 俺は首を横に振り、遮る。


 「ヒュー……バンッ!」


 今年は違う。今までと違う。


 誘われたんだ、初めて。


 隣に居るのは君一人。二度目の浴衣姿は目前の花火で更に華やか。


 「なぁ、ーー……。」


 ー 言うよ俺、絶対後悔したくないから。


 そんな俺の一言には気付かず花火を見る君の耳元で


 「好きです、付き合ってください。」


 ーー 人生で最も甘い夏を。

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