勝ったと思っとけ

お前は俺より足が速い

お前は俺より頭がいい

お前は俺より将棋が強い

将棋をやっている自分が恥ずかしく思えてきたんだ

お前はいつも一番だ

お前の背中を、これでもか、というほど見せられた

俺はお前に負けてばかりだ

お前の見ている景色を俺は見たことがない

でも、一つだけ、断っておこう

俺はその景色を、もうみたいとは思わない

お前は俺の見ている景色を知らない

ざまぁ見ろ。

一番をピラミッドの頂上みたいに思ってるだろ

違う。ただの数字の1に過ぎない

お前はいつも光ってる

だから光のあたらない人の気持ちを理解できない

誰にも、寄り添うことができない

俺は光のあたらない世界を知ってる

お前は知らない

可哀想に。

見ている場所が違うだけだ。

そこにレベルの差はないだろう?

俺はこれからもこのままでいる。

このまま、お前に背中を見せ続けて見せる。


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