想像力のない世界を想像してみてください。

ほぼ1年間、ずっとこの物語を追いかけていて
終わったときには感動よりも「終わってしまうのか」という
残念な気持ちのほうが大きかったかもしれない。
とにかく連載が終わったあと、冒頭から読み返してみた。
1回目に読んだときよりも面白かった。次もそうだろうか。
そういうふうにして、この物語のことを忘れないと思う。

「ライトノベル」を語る
「ライトノベル」の体を取った作品でありながら、
ところどころ「純文学」的な効果も入っていて、
その融合は小説のひとつの到達点で、
またこの作品で描かれた世界の最終形なのかな、ということを
思ったりした。

全ての小説に関わるひとにこの作品を読んでほしい。
想像力のことを考えてほしい。
想像力のない世界のことを想像してほしい。
その世界を小説が救うことを想像してほしい。

とにかく挙げきれないぐらい名場面があるのだけれど、
右京がほたるに送った詩こそ一番美しくて
この物語の、全ての物語の根幹にあるのではないかと思った。


さよなら、ライトノベル。
R.I.P.(Return If Possible)

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