家庭の中の両親2

 別の観点から見ても、これは現在への警告として現れている。百年以上前、この取るに足らない場所はドイツの歴史の中で不朽の名声を得るという栄誉を持った。それはドイツ国家全体を掌握するという悲劇的な大災害のためだった。


 祖国が深い屈辱を受けた当時、ニュールンベルクの市民で、本を売る人であり、頑固なナショナリストであり、フランス嫌いで有名だったヨハネ・パルムは不幸にも彼が情熱的に愛したドイツのために死んだ。ヨハネは目上の共犯者を非難するようなことを頑強に拒否したのだ。


 それはまるでレオ・シュラーゲターのようだった。そして、レオ・シュラーゲターのように、ヨハネもフランスに告発された。


 政府の代表者にアウクスブルク警察長官が不名誉を得ることによって、ゼベリン氏の新ドイツ国家のような例ができたのである。


 ドイツ的殉教の光によって美しく照らされたイン河畔の小さな町に、オーストリア国籍である私の両親は前世紀の八十年代の終りまでの間住んでいた。


 父は忠実な公務員であり、母は家事に専念していた。私にこの間の記憶はまったくない。


 数年後、私の父はこの小さな国境の町を離れなければならなかった。イン川を下り、パッサウで新しい役職につくためにドイツに入ったのだ。当時の転勤の多くはオーストリア関税庁だった。


 間もなく、父はリンツに送られ、最終的にそこで年金生活に入った。もちろん、この年金生活は老いた紳士にとって休息を意味するものではなかった。

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