第12話 休戦が確定し私は旦那と一緒になり予備役になる
1950年 2月 横須賀港
「ようやく日本の土地を無事に踏めたわね。で、これからどうするのあなた」
「そうだね。まあ、とりあえず両親に紹介と言いたいところだけど。わがはいも両親は既に死亡しておらんばい」
それを聞いた私は言う。
「そっか。実は私も天涯孤独なのよね。で、これからどうする」
「そうだな。まずは婚姻届を提出だろうなぁ」
そんな感じで私は大山という技術士官と良い仲になったわけよ。そしてこれからの生活をどうするのかという思案に明け暮れたという感じね。
で、私達は預かってもらっていた
で、旦那と子連れとなった奥さんが来たわね。
「ユキ。あんたも生きて帰ってきたんやなぁ。うちは嬉しいで」
「晴子さんはどうやら無事に生まれたようですね。男の子なの」
「そうやで。今一歳になるで。で、あんたの横の男はもしかしてユキの良い人か」
「そうなるね。この人と一緒になるんだけれど。あいにくとアタシも旦那ともに両親がいなくてね。で、入籍だけしようと思っているのよ」
というと晴子が言う。
「なんや。水臭いのう。ウチが媒酌人になったるで。それに水無瀬准将たちやほかの生き残った連中も集めて式上げたるで。あ、そうだった。ウチもアンタも一応英国の爵位持ちだったんやなぁ。すっかり忘れていたで」
「そうでしたね。となると、水無瀬大佐にも話を通しておいたほうがいいわね」
「そうやな」
で、旦那の敏郎さんはいう。
「ユキあんた。一体どんな人物なん。爵位持ちというが宮様なんか」
旦那の質問に私は答える。
「そうね。昭和19年のイギリスの戦いを知っているかしら」
「知っとるばい。わいも海軍航空技術廠の技師としてジェットエンジンの技術交流でイギリスにいたばい」
「そう。私は天使隊という航空機空輸任務に従事していたけれど部隊のドイツ、アメリカ軍の戦闘機と空戦になって部隊の8割が喪失して部隊は消失しそのままイギリス空軍のケルビム隊に編入しそこで対戦闘機、爆撃機迎撃任務に従事したわね。そこで出撃回数500回以上撃墜数累計400機前後叩き落したパイロットよ。で、イギリス本土撤退戦でも獅子奮迅の活躍したということでイギリスの王室から
「納得したバイ。ユキ。あんたもすごか人生をあゆんでいたんやな」
で、そこからがどったんばったんの大騒ぎになったわね。
何しろ水無瀬大佐が私が結婚すると聞いて大乗り気で媒酌人だの参列者だのをということになったけれどそれがイギリス空軍のマリアたちも知ってそれが大本でエリザベス女王陛下たちの耳にも入ったみたいね。
で、その様子を私たち二人は茫然と見ていたわね。
「なんというかすごいことになっちゃったわね。あなた」
「そうばいね~。わいもある意味すごか女性に惚れたということばいねぇ」
「そうね。でも、あなたを愛していることは事実だからね」
「そうか~」
そんな感じで私たちの結婚式が厳かに行われたけれど旦那のほうの上官はガチゴチになっていたりだったわね。そして私は晴れて大山ユキとなったわけだけどね。
で、かねてから私はそこで退役届を提出し受理され晴れて私も予備役となったわね。
そして子供にも恵まれて幸せをかみしめていたけれど子供が生まれた直後に旦那があっけなく病死しちゃったんだよねぇ。
で、旦那も天涯孤独であたしも天涯孤独だった私は乳飲み子抱えてどうしようかと頭を抱えていた私は高槻さんの伝手で釘宮運送の空輸部に就職となったわね。まあ、幸いレシプロ機の資格はまだ持っていたので最初は単発の軽便機から初めてその後国産旅客機のJYS-11のパイロット資格を取って、その後も大型ジェットの資格を取っていき、世間ではママさんパイロットなんて映画なんかにでていたわね。
で、子供は成長したのはよかったけれどあの娘ったら20になるからならないかの時にパイロットの男性と駆け落ち同然で結婚したわね。まあ、あの当時は私と娘の関係は断絶同然だったしこれも自業自得ってやつかしらね。
で、風のうわさで孫が生まれたが、その直後に娘が死んだと聞いたけれど私は娘の連絡先を知らなかったから私は孫の顔を知らないじょうきょうになるわね。
そして老人となった私たちは小隊長たちと共同生活して余生をすごしているよ。
孫が安楽に生きていてほしいと願いながらね
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