第2話 目覚めたら当たり前のように異世界でした。

 目をあけると、一番最初に目に飛び込んで来たのは、銀髪紅眼の絶世の美少女の姿。


 よくCMでやってるようなスマホゲームの中の、よく分からんソレ本当に必要な装備なん? と訊きたくなるようなアクセをジャラジャラつけた、幼女といっても過言ではないような、でも絶世の美少女。


 なのに無駄に胸がデカイ。

 幼女なのに胸がデカイ。シリコン入れた?

 ってか、一番肝心な腹と太モモが出てるんだけど、それは防具という意味で、やっぱどうなん? 水着なん? ここ海なん?


「勇者様──お目覚めになられましたか──」


 鈴を転がしたかのような、可愛らしい声。

 どっから声出してんだ。脳天の先か?


 倒れたまま、呆然とその顔を見上げていると、美幼女の隣から、今度はハリウッド俳優みたいな金髪碧眼絶世の美男子が顔をのぞかせる。


「勇者殿、気を確かに」


 お前がな。

 その装備のゴテゴテさ。

 それ重くないんか?

 まるでトランスなんとかいう、車がロボットに変形するヤツをそのまま鎧にしました、みたいなモノを身につけてる。腕上がらんだろその肩パット。

 そして無駄に長いマント。

 いる? それ。

 声も無駄にいいし。


 取り敢えず倒れて呆けてるワケにもいかず、上半身を起こした。


 そして、目に入る、美男、美女、美男、美女、美少年、美少女、美少年、美少女──


 この世界は若くて顔の造形整ってるヤツしかおらんのか?


 その煌びやかな顔面偏差値に、ここに来る前の目眩とはまた違った目眩を覚える。


 何コレ意味わからん。


 そうこうしているウチに、さっきの美幼女(巨乳)が腕を広げて声を張る。


「勇者様の転生に成功致しました!」


 状況が分からん自分だけが置いてけぼりのまま、周りから怒号のような歓声が上がった。

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