幼少時代 1

私の家は 物置小屋の様でした

土地は借地でそこそこ広かったのですが

トタン屋根の小さな平屋建てで


玄関らしき引き戸を開けると 2畳程の土間に小さな台所……

と 言っても水道 冷蔵庫なんて物はないガス台があるだけの空間


その奥に10畳程の部屋がひとつ


……それだけ……


家の中にはお風呂もトイレも無い

その部屋で家族7人が雑魚寝してました


お風呂は母の友達の家に入れさせてもらってました

友達の家は自転車で10分位かかるので

行くときは必ず父の自転車の後ろに乗ってました


父の自転車の運転は乱暴なので

必ずと言っても良いほど途中で落ち

「落ちたら俺のベルトから手を放すんじゃねぇぞ!怪我するといけねぇし危ねぇからな!」

と、言われ

落ちた時は言いつけを守って

父のベルトから手を放さず

しばらく自転車に引きずられてました。


素直に落ちた方が安全な気がしますが……

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