第4話金曜日最強のメンツ

時間、止まってるよな·····。

靴箱に立て掛けてある時計を見ると、その針は微動だにしなかった。


「良し、行こうか♪」

そう言った俺はドアを勢い良く開けるがそこに見えた景色は、いつも登下校中に見る割合豪華に作られている家ではなく、浜辺だった。

そして俺は思わずドアを閉める。

横を見るときょとんと首をかしげた姉がいた。

「ごめん姉ちゃん。これはいろんな意味でダメだわ。」

「えっ!?、なんで?これはあのど○こでもドアに見立ててやってみたんだけど。」

「ダメだ姉ちゃん。見立てちゃダメだ姉ちゃん。これ絶対あの国民的キャラクターの青猫もとい狸の出す秘密なんちゃらの中でもトップレベルに有名なヤツだよね姉ちゃん。」

「うん。だからドラ」

「もうこれ以上言ったらダメだ。なにかに消される気がする。」

俺が間髪入れずに止めたおかげでなんとか収まった。


「はぁー」

と一度ため息を吐き、気を取り直したところでもう一度ドアを開けた。

そして目に飛び込んできたのは俺が望んでいた物では到底なく、

赤の服と黄色いズボンを履いて、半ケツをだした小僧だった。

俺はもちろんドアを閉める。

「ダメだ。消される。」

俺の口から思わずそんな言葉が漏れると同時、隣で姉ちゃんがケラケラ笑う。

「やっば、これ楽しすぎ。まさかクレ○ンし○ちゃんも出てくるとかwww

次何出そうかな~」

「おい!、次選ぶんやめろ。そしてそろそろ消される。消されるからな。」

若干命令口調になったが、もうしょうがない。俺達は今違法と合法のスレスレに居るんだ。ちょっとは強めに言ったって·····

あれ?あれあれ?

なんか姉ちゃんがめちゃくちゃ涙目なんだけど。いつも俺に強気な姉ちゃんが····

瞬間。俺のS感がくすぐられるがその気持ちをグッと押し殺して謝罪する。

「ごめん姉ちゃん。そんなに強く言うつもりは全然なかったんだ」と言うと

「いやいいよ。私も悪かった。」

そして姉ちゃんの元気が戻った。

それに反省もしてくれていそうだ。


「じゃあ、今度こそは行こうか♪」

と仕切り直した俺はドアを開けてーーーーー閉めて叫ぶ。

「次はタ○リさんかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


姉の涙を信じるんじゃなかった。

しかも全然反省などしていませんと言わんばかりに隣でケラケラ姉が笑う。



ついに金曜日のゴールデンタイム勢が全て出揃うという最悪の事態になったときに俺は確信した。

こりゃ完全に消されるな。

そして旅なまだまだ長くなると。








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