第20話 母と夢

高校生時代、学校図書館にあった、英語の絵本をむさぼり読みました。

英語は赤点ばかりだったから、意味をきちんと把握できていたかは自信がありません。

ですが、その色彩豊かな絵に魅了されていたのは本当です。


私が通った高校は、美術に強い学校でした。

美術部員は少ないのに、そこから展覧会で賞をとる人が多かった。

そのせいか、その理由だったのか。

図書館には美術関係の本が山ほどありました。


私は絵本と共に、ファブリックに関する本を眺めるのが好きでした。

色とりどりの布の写真を見て、ため息を吐いていました。

こんなものを作り出せる人間になりたい。


そう思っていました。

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