回答編(1)
なかなか興味深い話だったが、聞き終わった時点でオレは、何一つ回答が浮かんではいなかった。さて、どうしたものかね。
「単なる数え間違いじゃ面白くないね」
腕組みしながら水野が言う。そう、その通りだ。それはどちからというと、反則行為に近い。前提を崩すのは有りだ。面白ければ。ただし、数え間違いは駄目だ。面白くもなんともない。そんな話は全く興味が無い、と切り捨ててしまうのと同じだ。
姫宮は語り終えて疲れたのか、自分の役目はこれまでと思っているのか、弛緩した表情でオレ達二人を眺めるばかりだ。
時間はたっぷりある。何なら日を改めたって良い。しかし、こんなのはあくまで暇潰しであることを忘れちゃいけない。急ぎ過ぎない程度に急ぐとしよう。
まずは順番に一つずつ考えていこう。
推理小説的にいくなら、最初は『
続いて『
とすると……。
やはり考えるべきは、『
有りと言えば有りだろうが、込み入った割には面白くないような。まるでリアリティーを追及するがあまり、肝心の物語が面白くなくなってしまったミステリみたいだ。
愉快犯的な犯行ってことにして、トリックでも考えようかな……。
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