第25話 赤、推参
僕は狂騒の中、独りの声を聞いていた。
どこか遠くから、だけど力強く、少しずつ大きくなっていく声を。
とても熱くて、火傷しそうだけど、それでも温まる何か。
それを彼女は持っている。僕はなんとなくそれを知っている。
「牛乳!! どこだ、牛乳!! 牛乳!! 牛乳!! どこだ、牛乳!! 牛乳!! 牛乳!! どこだ、牛乳!! 牛乳!! 牛乳!! 牛乳!! どこだ、牛乳!! 牛乳!! どこだ、牛乳!!」
正直、うるさい。
そりゃそうだ。
何しろ、彼女はヒーローなのだから。
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