シェアハウスの謎

@noritaka1103

第1話 継承したシェアハウス

祖父・父と長らく受け継がれているシェアハウスを引き継ぐことになった。父が闘病中は誰もこのシェアハウスには住んでいなかったので室内はホコリまみれである。

簡単に掃除をして数日後、シェアハウスの前に張り紙を貼った。

「シェアハウスの入居者募集中!家賃は2万。駅からも近いので通勤通学にはもってこい?共同生活となりますのでご迷惑掛からないように!詳しくはこちらまで」

正直、今のご時世シェアハウスになんて誰も来ないだろうと思っていた。



掲載から数日後、外から物音らしき音が聞こえたので「何事だ?」と思い扉を開けると数人の男女が張り紙の前でなにやらブツブツと話していた。

「何か事件でもあったんですか?騒がしかったので・・・。」

そう聞くと一人の男性が「シェアハウスの管理人さんですか?詳しくお聞きしたいのですが。」

どうやら、シェアハウス入居を検討している方のようだった。

「はい、シェアハウスの管理人ですが?他の方々も入居希望者?」

ちょっと想定外だった。来るにしても一人か二人かと思っていたのでビックリしている。

そして、希望者個別に話を伺うとその殆どが「移住してきた人」だった。就職や進学などで来たが希望に合う物件が見つからなかったそうだ。

ただ、希望者と部屋数が足りなかった。

「申し訳ないのですが部屋数が足りません。一部の方はお断りとなってしまいます。」

そう言うと学生らしき男性2人が「相部屋はダメか?」と聞いてきた。特にルールは決めていなかったので相部屋は本人が良ければOKとした。(但し異性は不可)



思わぬ形で満室となったため入居者募集の張り紙は剥がした。

「皆さん、部屋の鍵をお渡しします。2本渡すのでもう1本は合鍵として保管してください。合鍵もなくすと部屋に入れなくなるので注意してください。」

本当に2本目をなくしたときの保険として最後の1本が管理人室に保管してある。

「次にシェアハウス内の冷蔵庫など家電製品についてお話します。冷蔵庫の中のものには必ず全て自分の名前を記入してください。書き忘れると誰かに食べられたり飲まれたりします。レンジやトースター・炊飯器も共同使用となります。壊したりしたら弁償してもらいます。

何かご質問はありますか?」

駅の近くの病院で働く看護師が「お風呂はありますか?」

と聞いてきたので

「お風呂はシャワーのみです。湯船はありません。申し訳ありません。銭湯ならここから歩いて5分くらいの所にございます。」

つづいて先ほどの男子学生が「炊事とかは当番制ですか?」

「当番制ではありませんが基本的には協力し合って炊事などをやっていただければと思います。あと、出勤(登校)時間が早い方・残業等で帰宅が遅れる方は事前にご連絡をお願いします。

あと、各部屋に設置されております、テレビは衛星放送・有料チャンネルなどはご視聴いただけませんのでご了承ください。ビデオデッキ等の設置は任意でお願いします。」



皆さんが入居してから数日後、各部屋の清掃とメンテナンスをしていた。

「ここの廊下の足元の電灯が消えそうだな。後で業者呼んで直してもらうか。夜中転倒して怪我でもされたら困るし。」

数時間後、電気業者に来てもらい修理してもらった。



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