不登校児と書いてイケメンと読むそうだ。

 「、、、あ!!あの人、あの人だよ~琴、お局様!」


ヒソヒソ声でそういった寿を横目に、私はじゃがり◯先生の後ろにくっついて歩く男子を見た。マスクをしているが、身だしなみは、、、上履きの踵踏んで第一ボタンを開けているだけだ。まだギリセー。


「はい静かに。今日はあそこに一つだけ寂しく空いていた席の持ち主が来てくれました。一応自己紹介どうぞ。」


じ⚪がりこ先生(かーくーた)が呼びかける。一歩前に出る。先生は黒板に名前を書く。『町並 樹(まちなみ いつき)』そしてマスクを外す、、。

MASKを外す!!


「「!!!!??!!!、、、♡♡♡♡♡♡♡♡」」


外した瞬間、女子は絶対みんな同じこと思ったはず。その思いを代表して口にしてしまったのは、、、


「「、、、イケメン降臨!!」」


はい。白状します。私たち3人です。ハモった瞬間のクラスの静けさについては口を閉ざすとして、マジの方のイケメンが降ってきた。うわ、なんでクラスに白馬持ち込み禁止なんだろう!!

 

「ハッピーアイスクリーム!!琴かお局様アイス奢って~♡」


、、、おい。まさに突っ込みたくなる。ここで!?

でも、この言葉がクラスの静けさを突き破り、どっと笑いが押し寄せた。

まあハモったあとにいう合言葉はやっぱん~♡最高だ!!


「、、、僕の名前は町並 樹です。えー、、あとは特にないです。」


なんか三四郎の小宮みたいな喋り方。、、それがかっこいい♡

なんじゃこの美男子イケメン。なんじゃこの王子様イケメン。なんじゃこのイケメン!!


 いつも寂しく空いていた私の後ろの席にその男子は座った。見た目とは裏腹に、結構優しそう~♡あ、いけない。寿になりかけたわ。女のラブコメとは、イケメンがいなくちゃ始まらない。そう、神級が。私たちは心も頭もお花でいっぱいにして今日も1日を始めることにした。女ってね、万人受けするイケメンに弱いもんなんだよ?イケメンが嫌い?そんなこと思ってこの本読んでる人、絶対好きになるって。この世にイケメンが嫌いな女子はいない。私がそう、断言してやろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る