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 行列は時間が経つに連れて延びている。日本人は待つことが美学みたいなものを持っているかもしれないと塔は思った。

「呼吸器科、島田先生。最寄りのセンターにてご連絡ください」

「ねぇ、人がたくさんいるのはなに?」

「なんて言ったの?」

「なんでもない」

 少女はつまらなそうな顔をしてそっぽを向いた。

 塔は喉が渇いだので自分の部屋に戻ることにした。

 部屋に戻ると看護師の川上がいた。

「どうも」

 塔は軽く挨拶をする。

「久しぶりねぇ。そうだ、お手紙来てるから、渡しておくね」

「誰からですか?」

「知らないわよぉ。私が調べる権利はないわよ」

「そっか」

 白い横長の封筒を渡される。宛名には塔の名前が書いてあったが、差出人のところには名前がなかった。

「じゃあね」

 川上は出て言った。それから塔は手紙を開けた。

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