お勧めの作品です

紅血が染み込んだ大地。
その上に転がるはヒトの死体。
黒く変色した家の亡骸を尻目に、彼は同属の幻影を現実に求めた。
しかし、此の世は無常である。
彼の眼前には、同属の赤黒い肉の塊が無造作に積み上げられていた。
彼の瞳が憎悪に浸食されていく。

シヴァ=ハンズ。
彼は復讐の獣となった。

三人称視点で話が展開されているので、様々な人の視点に立って物語を楽しむことができる。
作中でも言及されているが、シヴァは矛盾を抱えている。
どのように折り合いをつけていくのか、見ものであろう。
所謂領地経営モノや戦モノといったジャンルに、”亜人”の存在が絡みついている。
物語の根幹を担う亜人達の性質に迫るにつれ、物語に深く吞まれていくだろう。
そして、支配者共が打ち立てる”戦術”にも要注目だ。
ぜひ読んでみては如何だろうか。