精緻な固有名詞や用語がおりなす臨場感

山梨にいったことがあるでしょうか?
私はあります。でも、そんなに土地勘があるわけではありません。
そんな山梨を舞台に描かれる作品。
決してご当地ネタの物語ではありません。
実在する精緻な用語に架空の歴史を交えたこの作品。
丁寧な地の文は、まるで映画を見ているような感覚を
与えてくれます。

あまりネタバレをするようなレビューは苦手ですので、
内容に触れることは避けますが、読んでいるうちに
フワっと空に浮いているような感覚を得られる作品だと思います。

どこかの架空の世界ではなく、つい近所にあるような物語。
もしかしたら、自分も登場人物の一人なのかも知れない。

初めてSFやライトノベルを読んだ時の感覚を、
体験できる、極めてまれな作品だと思います。

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