異世界の鬼(オーガ)

 冒険者A

「異世界ではオーガ大鬼に出会ったら、豆や魚の頭、ひいらぎの葉っぱをぶつけるんだとよ」


 冒険者B

「なんだ、異世界のオーガってたいしたことないんだな」


 冒険者A

「でも異世界のオーガは絶滅したらしく、今では悪しき魂を追い出す、祭りの行事としてオーガに豆をぶつけるらしいぜ」


 冒険者B

「んじゃ、オーガ役は誰がやるんだ?」


 冒険者A

「普通は……旦那衆がやるらしいな。そして嫁や子供が豆をぶつける役だとよ」


 冒険者B

「そうか、俺はてっきり嫁が鬼をやると思ったぜ。むしろそっちの方がぴったりじゃねぇのか? 俺なら思いっきり嫁に向かって豆をぶつけてやるぜ! ハッハッハッ!」


 冒険者A

「……あそこに座って、盛大に酒を飲みながら笑っている男がいるだろ?」

 

 冒険者B

「ああ、異世界から来た男だろ? 何があったかしらねぇがお気楽なヤツだぜまったく……」


 冒険者A

「話を聞いてみるとあいつは祭りの時、嫁に豆をぶつけたらしいぜ」


 冒険者B

「……ちょっと今すぐ豆を買ってくるわ!」


 

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