納涼語り

納涼語り

著者:いいたく 様

作品url(https://kakuyomu.jp/works/1177354054883138266


 短編集ということで、私にはわくわくすることしかできません。「短編集」……その響きだけでときめいてしまうくらいの短編集好きですから。

 と、いうわけで、4編、読ませていただきました。


 1編目の「夜のドライブ」。

 いかにも「友達にしゃべっているんです」的な軽快な一人称は乗り心地のいいこといいこと。ありがちといえばありがちな導入ではありますが、肝心の怪異がすさまじい。

 この恐怖、理不尽さ(褒めてます)、最高……!

 結局車に乗っていた女の正体は明かされませんが、そこがまた理不尽でステキ。


 惜しむらくは、1編目の完成度とインパクト故に、2編め以降を色眼鏡越しに見てしまったことです。

 「夜のドライブ」ほど恐怖感がないなぁとか、構成が王道過ぎるなぁ、とか、怖いかもしれんけどちょっと地味だなぁ、とか。

 

 やはり、短編集の1話目を担うのは重大任務です。

 つまらなければ勿論書架に戻され。

 面白過ぎれば続いていく作品群が「1話目よりつまんない」でやはり書架に戻され。


 と、さんざん言いたい放題言ってしまいましたが、短編集の最初をどれにするのかに正解はないと思います。

 おそらくはこの構成が一番! と思ったゆえの構成なのでしょう。つかみ的には素晴らしいと私は思いました!


 と、褒めた後で気になる点を1つ。

 

 「ペストマスク」の回で太鼓が叩かれるシーンがありますが、それにくっついている記号でずっこけました……。

 普通の音符はいいとして、絵文字……!

 台無しです!!

 個人的には絵文字無しなら、もっと怖がれた自信があります!

 このへんはひょっとしてひょっとすると誤変換の可能性もありますが。


 重ね重ね言いたい放題ですが、お話自体は、好きです!

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