第28話 魔法アイテムが使えない二人

 その頃、店先では、マークと、アランが苦戦していた。使えるアイテムがなかなか見つからないからだ。リードにしてみたら、当たり前のことだった。しかし、たまに使える物が見つかるのも事実だ。

 とりあえず、アランは、ほしいものを買うことにした。何とかなりそうな値段だし、必要なものだからだ。

「自分が使えるアイテムって見つからないものですね」

「たまに使える物が出ますから、あきらめないでください」

「ありがとうございます。それで、記念といっては、なんですが、光鱗水のカプセルをいただけませんか。記念とお守りにしたいです」

「いいなそれ」と、マークもアランたちのところにやってきた。

「それは、良い考えかもしれません。見てみますか」

 リードは、小さいものから大きなものまで、カウンターに並べてくれた。アランがほしいのは、平べったいタイプだ。クリスタルソードに使う。ケエル総督は、作ってくれるといったが何時になるか分からない。もう持っていたいのだ。


「これ、全部実弾って言うんですか」

「遺跡の映像アイテムからいうとそうです。これなんかどうです。ミレニアムホースの実弾レプリカですよ。店の看板ですから、他の半額でしょ」

 アランが、飛びついた。

「二つください」

「一つでいいだろ」と、マーク

「さっき見ただろ、二つで、一式なんだよ」

「その通りです。では、お買い上げありがとうございます。マークさんはどうします?」

 マークは、MG2との約束を思い出した。

「オレはいいよ。そうだ、結晶石買いたいな」

「そういう人もいますね、こちらの方が安いですし」

 今度は、結晶石を広げてくれた。マークが買いたいのは、光の結晶石だ。しかし、土の結晶石や風の結晶石より高い。と、言うことは、金星にいけば安いということだ。

 割高か、でも、MG2待ってるだろうし・・・

 マークは、目を瞑って光の結晶石を買った。目を瞑って光の結晶石を取ったとき、リードが、にやっと笑った気がした。気がつくと一番大きなのを取っていた。アランと変わらない値段だ。

「お買い上げ、ありがとうございます」

 どうなってる、オレー

 ここでは何とかなるが、マークはそんなにお金を持っていない。

 二人とも現金で3万ガイ支払った。

 3万ガイ?税関で27万ぐらい支払えということか。全部で3000クレジットじゃないか。後で、ゴウからお金を借りようとマークは思った。お昼から、アイテム探しのテンションMAXで、店に入ったが、もうその力ゼロなマークである。

 その後、ガバン家の夕食に間に合いたい3人は、早めにミレニアムホースを後にした。


 翌日からマーク達は、ミーシャの発案で牧場に出掛けた。ケエル総督の幼馴染ケルビム・イー・シュタットの牧場だ。イー家の嫁は、オース元帥の第二皇女でガバンの親戚に当たる。ケエル総督も、牧場に行って、久々にケルビムと話がしたかったが、ナオミの事案が、会議にのぼり、行けなくなった。

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