第5話 宇宙戦士バルディオス(1980-81年)

※第4話で事実誤認があったので、一部記述を修正しております。


 いきなり予定変更ですみません。今朝は普段より二時間早く出勤なのに起床に失敗して執筆時間とれなかったので、第5話にして早くもコピペに逃げます。申し訳ない。


 ということで、これは「なろう」の活動報告に2016年6月16日に書いたものの再録に少し手を加えただけのものになります。グレートマジンガーは明日書くので、どうぞご容赦ください。


 さて、今回のお題は『宇宙戦士バルディオス』。打ち切りによる衝撃の結末が伝説となって、映画版まで作られてしまったという怪作です。


 そう、「怪作」なのです。惜しいところで「名作」になってないと私は思っています。


 実は、私はあの衝撃の最終回をリアルタイムで見ています。偶然、祖母の家に遊びに行っていて、特に見るものも無かったので、たまに見ていたバルディオスを、特に最終回とも知らずに見ていた(テレビ欄もサブタイトルも特に気をつけてなかった)ら、バルディオスが何もできないうちに世界中が洪水に巻き込まれ、エンディングの歌が流れるなかで、ブルーフィクサー基地に洪水が襲いかかるシーンで「完」。


 あれほど衝撃を受けた最終回は無かったですね。悪の侵略者側の完全勝利。凄えアニメを見たと思いましたね。


 逆に言うと、それまでは大したアニメじゃなかったんです。主人公ロボはダサい。デザインはもとより合体ギミックも古くさく、正直言って欲しいとは思いませんでした。実際に売れなかったからこそ、打ち切りの憂き目を見たのだろうと思います。


 その点、ほぼ同時代の『六身合体ゴッドマーズ』は、デザインはダサくとも六神合体のギミックは凄くて、欲しいアイテムだったし、実際に売れて、放送延長になりました。このあたり、既に実績十分だったポピー(バンダイ)と、これが唯一のロボットだった野村トーイでは経験や技術力に差が有りすぎたのでしょう。


 それに比べて、シリアス指向のストーリーの方は頑張っていたものの、いかんせんロボットのデザインやギミックと噛み合わないことおびただしい。


 実際、最終回まではそんなに印象が残っていないのですよ。しかし、この最終回のおかげで強烈にすり込みがされました。


 それで、映画版になったとき、さすがに映画を見に行くまでにはならなかったものの、コバルト文庫版のノベライズを買って読んだのです。だから、私のバルディオス観は、むしろこのノベライズ版が元ですね。


 そこで印象に残ってしまった(しまった、とあえて書きます)のが、ヒロインのアフロディア。TV版より一層強烈に、敵同士、仇同士でありながら主人公のマリンと愛し合ってしまうという運命に強烈に惹かれたのです。


 その一方で、大きなギミックだったタイムパラドックスのネタについては、ものすごい矛盾があって、どうしても納得できなかったのは、どうして地球がS-1星という敵性国家の星の名前を忘れて同じ名前にしてしまったのか、という説明がまったく無かったことです。また、地球の未来がS-1星である事を知っているクインシュタイン博士が生き残っているのに、そのことが伝えられなかったのもおかしい話で、どうにも納得がいかなかったのです。


 だから、バルディオスというと、あのエンディングと、とにかくアフロディア。


 というわけで、アフロディアが私の処女作『ブレバティ』のヒロイン、フィーアのモデルのうちのひとりになりました。このため、ヒロインと主人公が、一度はお互いに親の仇と憎み合う展開は入れたかったのですよ。私の技量不足で、入れ違いに憎むという展開にしかできませんでしたが。


 その一方で、普通ならヒロインになるはずのジェミー星野なんて、実はお姫様とか非常にヒロインっぽい設定なのに、結局脇役で終わりなんですよね。いとあはれ。


 打ち切りになった作品でありながら、劇場版でリベンジできたのですから、その他あまたの打ち切り作品の中では恵まれた方だと言えるでしょう。

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