第14話

中学入学記念に買い与えられた「お子様用スマートフォン」は多分特殊なフィルタリングがかかっている。多分、と言うのは親に聞いてもはぐらかされるからだ。アダルトサイトなど見たくもないしフィルタリングがかかっていようがそれは何も問題はないのだが、ある特定の情報を調べようとした時に極端に情報量が少なくなるのは困る時もある。たとえばギャンブル、宗教、戦争、殺人、テロ、そうして少子化およびそれに関する生殖方法など一切の情報であり、DNA鑑定もその一つと見られているのか詳細な方法が何度調べても出てこないのだ。自宅や学校のパソコンもそんな具合なので大学生の従兄弟の家に遊びに行き、パソコンを使わせてもらってやっと必要な情報を得ることができた。いわく、DNA鑑定に必要な物は血液または唾液。そして、髪の毛。美優の瞳は髪の毛の文字に引き寄せられた。血液や唾を本人に気付かれずに採取するなど不可能だ。だが、髪の毛ならいけるはずだ。鑑定費用は昔と違い一万円ほどしかしない。お年玉を使えばいける金額だ。

しかし大きな壁が一つあった。どれだけ手軽にDNA鑑定できるようになったとは言え、さすがに未成年だけでは依頼できない。保護者の同意がいるか、または誰か大人に代わりに依頼してもらうかの二択しかない。二十歳の大学生の従兄弟になんとか頼むか。しかし理由は必ず聞かれるだろうし、親に告げ口しないとも限らない。親戚の叔父や叔母達も同じことだ。

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