奇妙な肋

ぼくの肋は盛り上がり

それはそれは奇妙な形

心の臓を掴まれて

必死で抗った罪なのだ


あの時に大人しくしていれば

きっと悲しみなど知らなかった

こんな醜い嫉妬などわからなかった


ぼくの肋は盛り上がり

奇妙な形のまま今に至る

人工物にまみれながら

のたりのたりと今日も生きる


あの時に大人しくしていれば

きっとあなたと出会わなかった

頬を熱くすることもなかった


ぼくの肋は盛り上がり

奇妙な形でぼくを作る

どうしようもないまま

貴方を私物にする妄想を見る

触れたいと思っても

撫でたいと思っても

奇妙な肋が上下して

とくとくと鳴るだけ

どくどくと泣くだけ


奇妙な肋はぼくの輪郭

あなたに心を奪われてしまった

どうしようもない ぼくの輪郭

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