エンタメ小説の書き方

楪葉奏

第1回 物語を形にする

 小説は、表現された一つの世界です。


 物語というものは、当然ながら作者である皆さんの頭……あるいは心の中にしかありません。それを文章という鋳型いがたにはめ込んで、他者へと伝えるのが俗に言う小説と呼ばれるものです。自分の思いや考えを他の人に伝えるという意味では手紙や小論文と変わりませんが、何より違うのはその自由度だと思います。


 手紙や小論文はその短さ故に意外と形式通りにしかあてはめられないものですが、長編小説の場合、特にネット投稿では際限なく書くことができます。短編小説の場合その書き方は少し変わってくるのですが、これは後ほど書きます。


 話が逸れましたが、前述した通り小説は一つの世界です。物語という枠組みの中で、文章というピースをはめていくパズルに近いものだと私は思っています。ピースがなければパズルはいつまで経っても埋まりません。埋まっていないパズルはいうまでもなく未完成で、作者の伝えたい事を完全に伝えられません。つまり、作者の心の中にある物語を小説にする為には、才能やオリジナリティよりもまず文章力が必要なのです。基本ができていなければ、例えそれらがあっても活かすことはできません。


 こうして書いてみれば、文章力を得ることに抵抗を感じる人も多いかもしれません。しかし文章力を付けるというのは、それほど難しいことではありません。ちょっとした事にだけ気を付けていれば、誰でもある程度の文章が書けるようになります。


 それでは次の回から、本格的に文章の書き方について書いて行こうと思います。

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