まだ間に合う!? 2018年秋アニメは屈指のラノベ原作宝庫

 こんにちは。またずいぶんと間が空いてしまいました……すみません!

 さて今回は前回のお話どおり、2018年秋アニメの中からラノベ・小説原作をピックアップするという、前エッセイからの恒例企画です。


 もうアニメはじまってだいぶ経ってるじゃん! もう役に立たないよ! というお声もありそうです……すみませんすみません。


 配信とかで追いかけていただければまだ、まだ間に合うかと思いますので……! 是非に……是非に……


 

 ちなみに前クールだと『少女歌劇☆レヴュースタァライト』が面白かったですね(いいからさっさと本題入れ)

 


 ……はい。

 というわけで今期アニメの小説原作をピックアップしますけれど……今期はかなり気合が入ってます。とくに電撃文庫(KADOKAWA)さん。

 あ、いつものごとく敬称略でお送りします。すみません!


・とある魔術の禁書目録Ⅲ(鎌池数馬)

・ソードアート・オンライン アリシゼーション(川原礫)

 

 電撃文庫さんを代表する超ビッグタイトルです。私がかつていた書店でも新刊・既刊の不動の売れ線でございまして大変お世話になりました。

 これだけでもかなり本気で乗り込んできているのがわかります。


 特に『ソードアート・オンライン』(略称『SAO』)はなんと4クール、つまり1年間まるまる放送されることが決まっています。


 基本的に今のアニメはスパンが早く、1クールで次のアニメに切り替わるのが通例です。それだけに、これほどに枠を取れる力があるシリーズというのは稀有だと思います。


 もっとも、単純に『アリシゼーション編』とよばれる今回の章自体が非常に長い、ということも関係していることでしょうけど。


 

 なお電撃文庫さん原作としてはもうひとつ


・青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(鴨志田一)


 こちらもあります。

 鴨志田さんは、今作でもタッグを組まれている溝口ケージ氏と『さくら荘のペットな彼女』ほか、意外なところでは『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』などの脚本でもご活躍されておりますね。


 

 KADOKAWAさん系列といえば


・俺が好きなのは妹だけど妹じゃない

 (恵比須清司・KADOKAWA/ファンタジア文庫)


 こちらの1話で行われたコラボレーションが大きな話題を呼びました。

 ある有名な妹もの作品のキャラクターが総出演したのですが……私もびっくりしましたね。



 今回もっとも人を選びそうなのが、


・ゴブリンスレイヤー(蝸牛くも・SBクリエイティブ/GA文庫)


 こちらでしょう。噂には聞いておりましたが……なかなかに……

 残虐シーンに耐性がない方はキツいかもしれませんが、今期のアニメの中でも面白さで言えば屈指のものがあります。

 わたしは少しその手のシーンが苦手でして、見てて手の震えが止まらなかったんですけど……期待値は高いので視聴を継続しようと思ってます。

 

 私の知り合いの方もおっしゃってましたけど、ゴブリンスレイヤーのようなハード路線のファンタジーがある中で真逆の雰囲気のある


・転生したらスライムだった件(伏瀬・マイクロマガジン/GCノベルズ)


が同クールに被っているのがとても面白いですね―。


 ゴブスレ派と転スラ派、というようにうまく棲み分けされる感じになりそうです。


 マイクロマガジンさんはけして大手の出版さんというわけではなく、かつて『琴浦さん』が当たったことで業績を伸ばしたところなんですが、大判、つまりはちょっと大きくてお高めのライトノベルの分野でも存在感を高めていますね。


 『小説家になろう』さんで人気の出た作品が大判の本として「書籍化」されるのがもはや新人デビューの恒例となった感もあります。なろうドリームですねー。


 

・ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士

(春日みかげ・集英社/集英社ダッシュエックス文庫)


 なんか書店でいっぱい見たお名前だなあ―と思ってたら『織田信奈の野望』の方じゃないですかー! 相変わらず歴史系で攻めておられますね。

 今回の舞台はおフランスですけど。



 アニメ放送がまだの作品としては


・ツルネ ―風舞高校弓道部―

 (綾野ことこ/京都アニメーション・KAエスマ文庫)


 こちらがあります。NHKさんで放送されるようですね。このコラムのために調べてなければ見逃してしまうところでした……


 京都アニメーションさんいつもの自社レーベルからのアニメ化ということで、期待してもよさそうですね。


 

 一般文芸からは


・風が強く吹いている(三浦しをん/新潮文庫)


 駅伝をテーマにした作品です。氏としては『舟を編む』以来のアニメ化でしょうか。私の友人(現役書店員)が昔かなり熱心に読んでいたような記憶があります。

 


 その他個人的に注目している作品をいくつか挙げさせていただきたいと思います。

 


 まずは


・ガイコツ書店員 本田さん

 (本田・KADOKAWA/MFCジーンピクシブシリーズ)


 画像投稿サイトのピクシブ(pixiv)さん、ということでネット配信発のアニメ化ということですね。書店員もの、ということでここで取り上げないわけにはいかないでしょう(笑)


 1話めからなかなかに攻めておられましたね。私が働いていた1店舗めのお店、女性がコミック担当だということもあって、ア○メイトさん顔負けの品揃えがありましたよ、ボーイズラ(略 


 ヤオイアリマース!(おいこらやめろ


 

 続いて個人的超ダークホース『ゾンビランドサガ』。


 『グランブルーファンタジー』などで有名なCygames(サイバーエージェント傘下)さんが関わっておられます。


 かなり話題になったのでご存知の方も多いかもしれませんが、のっけから飛ばしてます。とにかくツッコミが追いつかない。面白いです。


 

・色づく世界の明日から


 『true tears』『花咲くいろは』『凪のあすから』『Charlotte』など、ハイクオリティの作品を多く送り出してきたP.A.WORKSさんオリジナル作品です。


 今期の全作品中、おそらくもっとも映像が美しいと思います。P.A.さんの持ち味である圧巻の映像美を眺めるだけでも価値があります。


 キャラクター原案は『弱キャラ友崎くん』などで知られる人気イラストレーターのフライさんなのですが、このアニメでは氏のイラストの持つ淡い雰囲気がまったく損なわれることなく動いているのですよ。


 TVアニメのクオリティとしては規格外です。


 ストーリーとしては、かつての『魔法遣いに大切なこと』(よしづきくみち)を学園ものとして落とし込んだような雰囲気がありますね。気になった方は、とにかくあの雰囲気を味わってみてください。


 

 もっと色々と取り上げたかったですけど、このあたりといたしましょう。

 それでは今期も、この素晴らしいアニメライフを!

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