取次業界3位、楽天傘下に

 今週の土曜日(2018年3月31日付)でしょうか。日経新聞さんで、出版取次で規模3位の大阪屋栗田(本社:大阪市)を買収、子会社とすることが発表されました。

 ネットとリアルの売上データを相互に利用することで販売効率を上げたい狙いがあるとのこと。


 この企業は大阪屋(業界3位)さんと栗田出版販売(業界4位)さんが合併して成立したものです。2015年に経営破綻した栗田さんを、大阪屋さんが支援するという形で新会社が設立されたのです。


 とはいえ、実のところ大阪屋さんは2013年から楽天さんによる経営支援を受けていました。なので実質的に栗田さん再建のために楽天さんが出資した形ですね。

 このような経緯があって新会社・大阪屋栗田が設立されたのですが、今回の決定により名実ともに楽天傘下に入ることとなりました。



 出版取次という「出版社から発行された本を各書店に分配する」業種では日販さんとトーハンさんの2社が非常に大きな割合を占めているのですが、そこにインターネット販売国内大手の楽天さんが割って入ってきたということになります。


 大阪屋栗田さんは中小の書店さんを中心に、2,000店ほどと取引があると言われています。トップ2と大きなシェア差がある状態でもこれだけの巨大流通販売網なのです、間違いなく魅力でしょう。ネット上に販売拠点がある楽天さんが実店舗の配送にも直接影響力を持つ。この意味は小さくないと思いますね。


 おそらくは対Amazonさん戦略の側面もあるのだと思いますが、リアル店舗にも話題のものが配本数アップ……などの恩恵があればさいわいだなあ……と期待したいところです。


 どうせならコンビニ受取みたいに、楽天ブックスで買ったものを契約している書店でも受け取れるようになると強いんではないかなー……などと思ったり。


 宅配業者が全国のあちこちに置いている配送センターみたく。

 書店をひとつの配送拠点としてみなし、ネットで注文した本の受け取りができるうえにその場でも買い物ができちゃう一大スペースとして捉えれば、なんかもっと可能性があるように感じられてきませんか?

 や、ほんまに単なる思いつきなんですけど。すみません。



 とにもかくにも。取次の業界再編は実際の店舗にも関連する話なので、今回こうして採り上げさせていただきました。

 出版社さんや取次さんなども大きく変わろうとしている、その過渡期にあるということなのかもしれませんね。

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