第19話 邪神社

 ついに今年が終わろうとしていた、まさにその時!

 邪神たちの侵略は、人類が平安を願う催事にまで及んでいたのだ!


「クトゥルーは祭司だったのです」


「初詣の用意をするのです」


「神社を作って、お願い事を聞くのです」


 ここに、邪神を祭る神社、邪神社が完成してしまったのだ!


「物足りないのです。……神社に、必要な物を考えるのです」


「一号は、おふだを作ったのです」


「このお札を使うとゴミを掃除できるのです。肩も叩けるのです」


 邪神の手書きの御札だ!

 一体どれほどの災厄が招かれるのか!


「二号は、お守りを作ったのです」


「この御守りを持っていると、深淵からクトゥルーの声が届くのです。どこに居ても声援を送れるのです」


 邪神の御守り!

 その名前だけで、呪われたアイテムである事は間違いない!


「これで、初詣の用意は完璧なのです」


「人類が来るのを待つのです」


 何という事か!

 神を祀る祭事が邪神の手に落ちていようとは、信仰を失った人類には、最早どうする事も出来ない!

 助けを求めた神が、どれほど異形であろうとも気が付きもしないであろう……。


「三号は、破魔矢を作ったのです」


「魔物を射抜けるのです」


「クピャー!」


 クトゥルーは、破魔矢に射抜かれた。

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