第3話 脛蹴りと正座




正座に隠された秘密とは





軍部秘密機関にて、

金髪女性は報告書をまとめ、上司に報告をおこなっていた。


上司は恰幅のいい丸眼鏡の男であった。


「君の所の彼の任務記録・・・ターゲットを『始末した』とある。しかし、諜報員の話だと、まだ生存しているらしいが・・・」

「ええ、そうです」




「あのね、君、ターゲットが生きていたら始末したと言わないと思うのだが」





「問題ありません、なぜなら・・・」






$$$





昨晩、ケイシュウにやられた男は、単身 通り を見張っていた。



「いた、奴だ」


昨日はおくれを取ったが、今日はそうはいかねぇ

後ろから鉄パイプで頭をかち割ってやる。



ぐへへへ



・・・



奴に近づこうとする。




心臓の音がバクバクと高鳴る。




ふと




膝が震えていることに気づく。


ちくしょう、膝の震えが止まりやがらねぇ・・・




ガタガタ・・・




一歩一歩進む。その足取りはどんどん重くなる。

額から汗がダラダラと滲む、止まらない。

はぁはぁ息が切れる。

昨日のことがフラッシュバックする。




スネがヤバい・・・隠さなきゃ




男はケイシュウに近づくことも出来ず、

遠い場所で膝を折る。




『Leg Kickを食らったものは皆、その者の前で脛を見せることが出来なくなる』




「脛を蹴られる」という恐怖が先行するからだ。

そして、脛を守ろうと地面に脛を向ける・・・これが『正座』だ。



ケイシュウ「・・・」



『桜花国の伝統的な姿勢だが、こんな裏話があったとは驚きだろう?』



・・・絶対、嘘だろそれ




ケイシュウは彼を一瞥することなくその場を颯爽と去る。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る