第5話小西 由佳子1-5

「酷いですよね~!

誰のお陰で給料が出てると思っているのか。

高谷さんが雇ってくれたから、私たちはこうして働けているのに」


そう言うと、露骨に嬉しそうな顔をした。

本当にコイツは単純でバカだ。



「小西さんわかってくれる~?

だよねー。あー・・・・ツイてない。

こんな場所に転勤になって従業員にも感謝されず、一生独身で俺の人生終わるのかな・・・・」



「え~そんな事ないですよ!

高谷さんみたいな人柄が良い人絶対に結婚できますって。

これよかったら食べて下さい」


昨日買ったチョコを差し出す。



「え?いいの?なんか悪いな~。

俺なんかが貰っていいのかな」



「良いんですよ!高谷さんには普段からお世話になってるんですから!

あっ・・・・・、このチョコ高谷さんにしかあげてないので、店長達には内緒ですよ。

じゃあ仕事に戻るので・・・・」




昼休みスマホを確認すると、知らないアドレスからメールが来ていた。



「チョコどうもありがとう。

何かあったら連絡下さい。    高谷」



高谷からのメールだ。

チョコの中に連絡先を書いたメモを入れておいて正解だね。



「是非今度ゆっくりご飯でも食べながら色々お話しませんか?

 由佳子」



早速返信する。

少しくらいいいよね。

私は一生懸命主婦業とパートを両立してるんだから。

少しくらい楽しみがあったってさ。

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