語りによって昔話が進められていくストーリー。闇の中でぱっと鮮やかな赤が浮かび上がってくるようなそんな文章です。特に最後の一言がぞくっとしますよ。
西洋では死の暗喩となるのは《黒》ですが、東洋においては《赤》ではないでしょうか。「美しいままに落ちた椿」「土に挿された風車」「燃えさかる旗」「投げだされた下駄の鼻緒」どれも《赤》の印象があります。…続きを読む
彼岸花、というと不吉なものを想像させられますが、この物語はその想像力がかき立てられる妖しい魅力に満ちています。かつて、この地で起こった陰惨な昔話。それを観光客に語り聞かせるという形でストーリー…続きを読む
怖く、残酷だけども、美しい景色に鳥肌が立つ。とっても、好きです。(突然の告白)この話は、案内役の人が彼岸花にまつわる昔話をするものです。語り手から紡がれる言葉は、どこからが真で、どこまでが実…続きを読む
民宿の主人が観光客に昔話を語り聞かせる物語です。彼岸花の群生地、美しいその花畑には、陰惨な伝承が残っています。物語は民宿の主人の語りで進められていきますが、彼はどことなく楽しそう。確かに彼の言…続きを読む
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