群青が海に凍みる

斎藤 凍琉

Prologue


氷は空、氷は海。

汝が祖は空、汝が祖は海。

汝が祖は氷である。

氷へ還れ、魂魄。

氷へ還れ、肉叢。

万物は流転し、再び此処へ顕現する。

いざ安らかに眠らん。

のち汝よ、再び在るべきへ孵れ。

凍つ国より再び孵れ。


(『凍世界年代記』序章第二節「葬送歌」より)



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