回帰月食

 月には月食類と呼ばれる生物がいると言う。詳しい生態は分かっていないが、月の表面を削って食べており、クレーターを作る。


 月食類は年に1~2回大繁殖する。そして満月の日に、芋虫状の幼体から漆黒の翼を持つ成体へと変態する。成体となった月食類はそのまま月を飛び立って行く。


 漆黒の翼は太陽の光を吸収する為、大群の月食類が飛び交うその間、地球から月は欠けて見える。


 宇宙空間へ吸い込まれるように飛び立った月食類は、それ以上の観測が不能だと言う。


 月が欠けて見える現象は、月食類がダークマターとして宇宙へ回帰しているのでは? という説から、「回帰月食」と呼ばれている。

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