そこにあるは強いお姉さんとけなげな少女の絆、そして屋敷を闊歩する変人達

 ファミール家当主が魔物に殺され、当主代行のテキアは「技使い」と呼ばれる者達を護衛に雇う。
 自身はもちろんのこと、当主の娘であり、テキアの姪であるゼジッテリカを守るためだ。
 しかし集まったのは一癖も二癖もある者ばかり。魔物と渡り合う異能者達は個性豊かだった。

 実力はあれど何せ急ごしらえで集められた者達は、なかなか一つに結束することはできない。
 やがて、この中にもファミール家を狙う魔物が潜んでいるのではないか、という疑惑まで出てくる始末である。

 ゼジッテリカ専属の護衛シィラは集められた技使いの中でもトップクラスの力の持ち主だと言うが、実力どころか、どのような人物かすら判っていない。
 だが、幼いゼジッテリカはシィラに絶大なる信頼を寄せる。

 魔物はどこに? 怪しいのは誰だ?
 疑心暗鬼が渦巻く中、いよいよ魔物の攻撃が本格化し始める。
 魔物が恐れる「救世主」は現れるのか……?


 とにかくゼジッテリカが可愛く、けなげです。彼女を護衛するシィラはひたすらゼジッテリカを肯定し、優しく見守り、二人はまるで本当の親子のようです。理屈ではない強い繋がりがそこにあります。

 そして、レビュータイトルに入れた「変人(ほめてますよ)」の代表格たるバンのねちっこさがとにかくすさまじい! わたしは彼を「ねばねバン」と命名しました。
 彼はテキアの専属護衛なので、出番が多く、ねばねばぶりを存分に発揮しています。

 さらに、強いがぶっきらぼうなアース、彼に好意を寄せ、他の女性技使いをライバル視するリリディアム、彼らに囲まれ苦労人気質のギャロッド、と、個性豊かな技使い達のさまざまな活躍が楽しいです。

 前半はゼジッテリカとシィラの絆と屋敷内の疑心暗鬼を、後半は異能者の戦闘と明かされる真相を楽しむ物語となっております。

(2/7 全話読み終えて加筆修正いたしました)

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