大丈夫。みんないるよ。

前作『時雨の鏡』にて登場した不登校の女子高生、白銀林(リンリン)が主人公のファンタジーホラーです。

前作に登場した人物が出てきますが、お話は全く別物(続き物ではない)なので、前作を読んでいなくても十分に楽しめます。

作者さまが作品紹介で説明されている通り、ホラー要素は少なめで、ファンタジー要素が多い作品です。
そして本作では、様々な形の「愛」が描かれています。

家族を想う気持ち、友人を想う気持ち、生徒を想う気持ち、村人を想う気持ち……これらの「愛」が、鬼が出てくる悪夢のような恐ろしいホラーを、あたたかい幻想的なファンタジーへ変えてくれているのだと思います。

愛の力はすごいですね。

そして、「ポンヌフ」というとてもかわいいキャラクターが出てきます。
(何かは読んでのお楽しみ♪)

このポンヌフとリンリンの冒険は、「ピーターパン」や「不思議の国のアリス」を連想させます。
幼い子どもが冒険を通して成長する。
そんなテーマも感じられました。

ホラーは読んでみたいけど、残虐表現があるのはちょっと……という方にぜひおすすめです♪

読後は温かな気持ちになれます♪

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