知識と経験の共有

Uzin

生命誕生

アメーバ時代

第1話 

 創造者は世界を作った。光で照らし、闇で侵食し、物質をもたらして。

 作られた世界では、長い年月をかけて恒星と惑星が出来上がっていく。

 数々の恒星系が形成され、それが集まり銀河系が作り出されていった。

 数多生まれた銀河系、数多生まれた恒星系、数多生まれた惑星の中。

 そんな中のとある惑星の一つで、意識持つ存在は生れ落ちる。

 

※※※


 この惑星が生まれてから幾億年、大地には水が満たされるようになり、その水が大海を形成した。その海の中にはその惑星が生まれる過程で得た、様々な物が含まれていた。

 ある時、それは意識した自分という存在を。

 そして、創造者は声を掛けた。

「おはようございます。」

「え・・・。あっ、おはようございます。」

「私はこの世界を創造したものです。そしてあなたはこの世界で初めて生まれた意識ある存在です。」

「そ、そうですか。」

「はい、この星であなたが今後も生きていけるように、私からささやかですが、力を授けます。」

「ありがとうございます?」

 彼・・・、この段階では性別を持っていないが、性格的な位置づけで彼と呼称させてもらいましょう。

 彼は困惑していた、自分が何なのか、どういった経緯で生まれたのかが、そんな情報が流れ込んで来たから。創造者と話すための知識を与えられたから。それを十全に振るえるから。そして、彼は思った。自分は幸運だったと。

「あなたに与えた知識は私と会話するためのものと、あなたの生まれなど、極少ないものです。

 これから得るあなたの知識や経験、それとあなたに連なる者たちと、知識と経験を共有できる力を授けます。今後私からの接触はなるべく控えていきますが、私はいつでもあなたを見ていますよ。」

 彼は思った、「それってストーカー染みてね?」っと。だが、彼はそう考えることをやめた、「見られるってどこまで見られるのだろうか」と思ったからだ。

 創造者は見ていた、その狂気のままに。


※※※


 ん~、どの道見られ続けることには変わらないし、気を付けすぎるのもしんどいか。まー、なるようにしかならないか。

 さて、この与えられた力なんだが、なんかこう、個人的な趣味嗜好が多分に入ってる気がするな。レベルとスキルとか、しかも内容が結構大雑把というか・・・雑なんだよなー。

 

 彼に与えられた、知識と経験の共有は、創造者の作り出したレベルとスキルによって管理されている。

 まず、レベルの上限によりスキルの数とスキルレベルの上限。このスキルレベルはアクセスできる情報の度合いを示したものである。

 そしてスキルは、これから彼が蓄積させたものに対して、創造者が名をつけ分類したものを指す。


 とりあえず、今できることはこの体で出来ることまでだな。どうやってスキルとして判定されるか解らないから、色々試していかないといけないか。そこまでのものは知識として開放されてないからなー。

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