時代小説としても恋愛小説としても

こういうタイプの作品が一定数あることは知っていましたが、あまり触れる機会はありませんでした。作品で扱ってる時代にもあまり詳しくなかったので、ほぼノーヒントで読みました。

まずは今と違う文化や感覚などが随所に散りばめられており、特に死刑と賭博、売春なんかに関係するシーンは面白かったです。資料の引用というのをあまり感じさせず、作品の世界に溶け込んでいて興味が湧きました。

そしてその中に生きる男たちの会話や行動がリアルで、時代の面白さがある一方で、時代が変わっても変わらない男の格好よさとアホさも楽しめました。特に相模のキャラクターがよく、恋愛シーンも盛り上がるメリハリがあってうまいです。

なんというか、堅苦しい時代物のように見せかけておいて、結構欲望まみれというか、端的に言ってしまえばえっちだなあ、と思いました(笑)

総じて質が高く、私には面白かったです。女性向けではあるのでしょうが、きゃーきゃー言いながらこういうのを読んでる女の子の気持ちが少しわかったような気がしました。

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