WEB小説の影に、熱量を乗せて

新人賞で銀賞を受賞した主人公はしかし、とある事情で出版の件を白紙にされ、代わりに未完結のWEB小説のゴーストライターをしないかと提示される。
そんな彼のもとに、更に素敵な幽霊が現れ……さて、主人公は無事にデビューできるのか!


話ごとに視点が変わる群像劇ですが、話を進めるごとにうまい具合に収束していきます。
カッチリとプロットを練ったんだろうな、と思いつつワクワクと読み進められること間違いなし。


また、WEB小説でよく見聞きする「良くない噂」が1つの軸となっていますが、これに対する主人公の想いに、若い彼のエネルギーがうまく表現できていると思いました。年を重ねた自分からすると「まあそういうこともあるよね」で済ませてしまいなことに、きちんと熱量がぶつけられています。この辺りが、彼と同い年くらい、20代前後の読者にはより刺さるでしょう。


挿話も良い箸休めになっていて読みやすい作品、皆さまもぜひご覧下さい!

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