"けいおん!!?"(けいおん!第3期仮想台本)9-12話草稿4

鈴波 潤

第1話「秋山澪の密かな愉しみ」1

澪(独)「私は恵まれていると思う。 大学で勉強させて貰っているし、それまでの学生生活も楽しかったし、バンドを通じて生涯の親友達にも会えた。

両親は私を大事にしてくれる。母は一人っ子なので沢山の子供に囲まれて暮らすのが小さい頃からの夢だったらしいが、私を産んだ時、医師にこれ以上の出産はできないと言われ、後継ぎができない事を泣いて父に詫びたそうだ。父は、秋山家は貧乏士族の出で、しかも自分は次男。十年も経って奇跡的にこんな可愛い娘を授かっただけで充分。と笑って答えたそうだ。小学校に上がってからは、両親は私を尊重して、望むことはよく話し合って認めてくれた。桜が丘女子に行った時も、公立推薦をやめて希望女子大学を受験したときも、ロンドンに卒業旅行に行く事も認めてくれた。私は世界一の幸せ者だと思う。だけど…。

唯一どうしても我慢がならないのは…」


澪(独)「あの人と同じ時代を生きることができなかった事だ…」

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