第12話 ラーメン屋

働く男にとっては

よく行く場所ではないだろうか

私は好物だからラーメンへの親しみは絶えない

店の中は

厨房からの調理音

券売機の機械音

客の麺をすする音

暖かい店内に雑音が乱れている

そこには雑音の中にありながら

客の寡黙な顔のせいか

雰囲気は対照的におとなしく感じる

店員の中国人っぽい外人が

拙い日本語で客の好みを聞き

厨房に戻っていく

昼の短い時間の中で

急ぎつつもふと休める場所

胃袋に暖かい活力をため込み

午後に向かってまた意を決す

対照的な雰囲気と店内の雑音

その差がとても不思議に感じる

私も食事を済ませ

午後に意を決す

ごちそうさまと店員に1言

私の背中にありがとうございましたと

暖かい言葉が触れた

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