新宿放浪記

@Okaso

第1話 私の見るこの街

この街に来て思ったのは

人が多すぎることと

見える限りの全てのものが

乱雑さの中に繊細さを兼ね揃えてるということだ

いつ来ても人が閑散としてることはない

常に一定数の人がひしめいていて

気分によっては気味が悪い

なんともおもしろい街だ

1人の男は駅の近くでうたた寝を

若い男達は駅の前でギター片手に歌歌い

若い女は1人ならその背中には憂いを

集団ならば甲高い高笑いをしながら

街を酒気纏わせて高らかに

人は様々だ

夢抱えるものも居れば

夢破れたものもいる

おもしろく時に残酷だ

騙すものもいる

騙されるものもいる

何でも買える

何でも揃う

こんなにも欲をそそられる街は

多くはない

人種もそれぞれいる

朝は足早に

昼はおもむろに

夜は自信げに

人が行き交う

魔が差したなら

罪作りな街になる

いくつもの顔を持っている

ただいくつもの顔は持っているが

内面はとても素直で正直だ

この街はその時々で表情を変えるが

中身は正直者だ

理屈に抗わず

また寛容だ

あるがままを受け入れる

この街はおもしろい

全てが行き交うものの

手の中に委ねられている自由

いかに使うかも

ここにいる我々次第

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