第57話 ギリギリ

【いつもの更新確認】

今日は、山田さんがやってきての面談、要は更新の意思確認です。

契約期間の 1ヶ月前の28日、さすがに確認しないと行けない時期です。


山田さん「先方からは、3ヶ月の更新をお願いします、とのことですが、どうですか?」

加藤さん「はい、お願いします」


山田さん「ありがとうございます。それでは、その様にお伝えしておきますね」


山田さん「他に何か困っていることとかは、ありませんか?」

加藤さん「強いていえば、山田さんに放置されている気がするくらいですかね。今回も、ギリギリですし。」



【月が変わって】

さて、月が変わって 4日、帰宅した頃に山田さんから着信です。

なんかあったかな、と思いつつ電話に出る加藤さん。


加藤さん「はい、加藤です」

山田さん「お疲れ様です、山田です。今、お時間大丈夫ですか?」

加藤さん「お疲れ様です。大丈夫ですよ」


山田さん「今日、この電話って何か心当たりあります?」

加藤さん「いえ。この前何か忘れてましたっけ?」


山田さん「ですよね」



【電話の真相】

山田さん「実は、先方から契約社員にというお話がありまして」

加藤さん「はい」


山田さん「3年縛りの件で、以前からの派遣さんを一斉に契約社員にという話になっていたのですが、この際 3年に満たない方も全員一斉にということになったということで」


山田さん「一旦、更新ということになりましたし、この次のタイミングでもというお話もしたのですが」


山田さん「できれば全員一斉にしてしまいたいとのことで」



【お任せします】

山田さん「それで、加藤さんはいかがでしょうか?」

加藤さん「そうですね、契約社員にと言っていただけるのは、ありがたいことだと思います」


山田さん「お給料も、上がると思いますよ」

加藤さん「契約社員にというお話自体は、お受けさせていただきたいと思います」


山田さん「ありがとうございます。それで、いつからというのは?」

加藤さん「お任せします。契約更新での手続きも進んでいるでしょうし」


山田さん「そうですね、まだ上司止まりで、その上までは行っていませんので、私が上司に謝ればいいだけですので」

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