第36話 強敵エタノール

【50%エタノール水溶液】

内田さん「あっ、加藤ちゃん、菊永さん。50%エタノール水溶液1Lリットルってどうやって作る?」

加藤さん「どうしたんですか、突然?」


内田さん「昼休みに部長に会った時に、聞かれてさ、答えが気に入らなかったみたいで、二人ならどう答えるかなって」


菊永さん「1Lのメスフラスコにエタノール500g入れて、水でメスアップすれば」

内田さん「私もそう答えたんだけどね」


加藤さん「それ、重量パー容積w/vですよね? いいんですか、それで?」



【重量で】

菊永さん「それなら、エタノール500gに水を足して1kgにすれば。」

加藤さん「普通は%って、重量%ですけど、液液なので容積%じゃなくていいんですか?」


菊永さん「500mLを水でメスアップして、1L?」

加藤さん「エタノールと水を混合しますと、体積が減りますから、水が多くなってしまうのでは?」


菊永さん「ヒトのに否定ばかりしてないで、加藤さんはどうするの?」


加藤さん「600mLずつを混合して、それを1Lとるとか」



【発熱】

内田さん「もしかして、混合熱による発熱の問題だったりするのかな?」


菊永さん「エタノールが蒸発して減るとか」

加藤さん「そこは蓋で」


内田さん「温度で体積も変わるし、冷めるのを待つ」


加藤さん「時間かかりそう」

菊永さん「そこは容器ごと水冷すれば、少しは早くなりますよ」



【そもそも】

藤沢さん「3人で何を話してるんですか?」

内田さん「エタノールと水を混合して、目的の濃度を得るには」


加藤さん「混合時の発熱ですとか、体積の減少で、きっちりってなると難しそうという話を」


藤沢さん「そもそも、エタノールって試薬で、100%じゃないですよね?」


菊永さん「もしかして」

加藤さん「そこの計算ですか?」

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