第24話 飽きた

【えっちらおっちら】

廃棄サンプルの分別をすすめる、加藤さん。


こういうサンプルもあるのかと、発見もあったりします。


液体を廃棄しようとして、その臭いにやられることもあったり。


それでも、午前中に二ヶ月分を処理しました。



【飽きた】

午後も引き続き、分別作業。


昼休憩を挟んだとはいえ、集中力も切れてきます。

特に、このような単調な作業は。


三ヶ月目の分別を終えると、ぐーっと伸びをします。


加藤さん「うん、飽きた」



【復習】

一旦、分別作業を切り上げて、居室へ戻った加藤さん。

気晴らしに、作業標準書を読んで復習します。


居室にいるところを、藤沢さんに発見されました。


藤沢さん「加藤さん、サンプル廃棄は終わりました?」

加藤さん「三ヶ月分はやったんですけど、ちょっと気晴らしに復習しようかと」


藤沢さん「ずっとやってると、飽きますよね。移動相の調製と、昨日のデータの解析をしましょうか」

加藤さん「はい、よろしくお願いします」

加藤さんのやる気が復活しました。



【移動相】

藤沢さん「移動相の調製は、混ぜるだけなので簡単ですよ。作標に書かれている分量をガロン瓶に入れて、振り混ぜて、メンブレンフィルターで減圧濾過します。液体を混ぜるだけですので、濾過がいらないような気もするんですけど、一応」


このくらいは見本はいらないですよねと、早速、加藤さんが作業します。

混ぜて濾過するだけなので、簡単です。


藤沢さん「メンブレンフィルターの向きで困ったり、圧力解放前にアスピレーターを止めようとしたら、声を掛けようと思っていたんですけど、大丈夫でしたね」

加藤さん「このフィルターは裏表のないやつですよね? 私は全部、上は上にしてるんですけど」


藤沢さん「裏表があることを知らない人とか、圧力解放前に止めて逆流させちゃう人もいるんですよ」

加藤さん「一応、大学でもやっていた作業ですので」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る