マーヤの物語

今神栗八

プロローグ

摩耶山には、マーヤという妖精がいて、

会えない人にメッセージを届けてくれる。


マーヤは人の想いが色になって見えるの。

心で想っているメッセージが本当の純粋な想いなら、

それは濁りのない何かの色。


それが何色なのかは、その人が何を想っているかによって決まっているんだって。

色が濁っていると、マーヤは怖がって木の陰に隠れてしまうの。

自分の光まで濁ってしまうからなんだって。


だから、濁った色の想いを持っている人には、マーヤは見えないんだって。

ママがパパに対する想いは、濁りのない薄紅色。


なぜママが色を知っているのかって?

それはね、マーヤがママに教えてくれたからよ。


どうやって会えない人にメッセージを届けるのかって?

それは知らない。マーヤが教えてくれなかったから。

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