いい日旅立ち(マサイ前日)


いよいよ明日からマサイの村へ行く!


…と決めた日。


バイト先の川添と喫煙所でまた話をしていた。


「お前本気で行く気か」


「はい、有給使って」


「マヒロ…そんなで有給使うな」


だってお金は欲しい、当たり前じゃないか。


「じゃあ川添さん、マサイ代出してくれます?」


「何でそうなるんだよ、出さねぇよ!」


ちぇっ、これだから安月給は。


良いもん、もう飛行機のチケット買ったし。


…アレ、私高所恐怖症だったっけ?


飛行機…飛行機…



乗れなーい!!


「川添さん!一緒に飛行機乗ってください!」


「なんでだよ」


「私高いところダメなんです!一緒にマサイの戦士に逢いに行きましょう!!」


「んなもん知るか、一人で行け。俺明日も仕事」


私の必死な懇願にも川添さんは却下する。


冷たいこの人!


私の命がかかってるんだぞ!!


「川添さんなんて川から添えて落ちちゃえ!」


「意味分かんねぇよ」


…結局、しょうがないから一人で行く事にした。


果たして生きて行けるだろうか。


ーマサイまでカウントダウン開始ー


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