第2話 主人公の闘い

南国の気候の暑い大陸「アトラス大陸」へと修行の旅へと出たリュードは猛暑の中、街を転々としながらその街のギルドでブラックリストに加えられているモンスターを討伐しながら、8ヶ月後に控えた武術大会で優勝するべく腕を磨いていた。


街の外には猛暑の中生存している凶悪なモンスターが徘徊しており、アトラス大陸に暮らす住民は街と街の移動中に襲われることもしばしばあり、徒歩での移動はまずしない。


ここ、アトラス大陸に生存するモンスターは、リュード達が暮らす地球の中でも特に強力なモンスターが生息しているため、各地のファイターやハンターもここで修行をすることが多い。


そしてそんな中リュードは・・・


「地流拳(ちりゅうけん)」

グギャオー・・

リュードの右手のアッパーから繰り出される地を這う衝撃波を受け、断末魔の咆哮と共にモンスターが沈んでいく。

ガオー!!

すぐさま別のモンスターがリュードに襲い掛かり、突進でリュードに詰め寄る。

頭に2本の角を生やした猛牛のようなモンスター「ミノタウロス」は猛スピードでリュードの腹部に突進!

・・・だが

「旋回脚(せんかいきゃく)」

リュードは特に慌てることもなく、華麗な足さばきでミノタウロスの突進を避けて背後へと回ってしまう。

その後、すぐに反撃することも出来るはずだが、リュードは見下ろすような上向き顔でミノタウロスをじっと見据える。

グルルルル・・・ガァー!!

これに激怒したのか、ミノタウロスは今までにないぐらいのスピードでリュードに突進!

モンスターとの闘いには慣れているリュードだが、万が一ミスでもして2本の鋭い角が体に突き刺されば致命傷もありえる。どうするリュード?

「・・・」

リュードは臆することも、避ける様子もなく突進してくるミノタウロスの角に向かって両手を突き出した。

まさか受け止める気だろうか!?

ガシッ!

なんとリュードは2本の角を抑え込み、本当にミノタウロスの突進を素手で受け止めてしまった。

そして抑え込んでいる両手に自分の闘気を送り込む。

体から湯気のように湧き上がる青緑色の闘気がリュードの両手に集まる。

そして・・・

「オーラフィンガー!」

バキィ!

闘気の力を使い、倍増した腕力でリュードはミノタウロスの2本の角をへし折った!

そして・・・

「オーラナックル!」

リュードの強烈なパンチがミノタウロスの眉間に打ち込まれ、ミノタウロスはゆっくりと沈んでいく・・・

完全に気を失ったミノタウロスと最初に倒されたモンスターにリュードは静かに語りかける。

「悪いな・・お前たちに恨みはないが、これも仕事なんだ」

それだけを告げ、リュードはその場を立ち去る。

あえて命まで奪わないのも彼なりの優しさなのだろう。勢いよく折ったミノタウロスの角も骨で出来ているわけではなく、サイの角のように毛で出来ているため、時間はかかるが、また時が来れば再生するのだ。



夕方になり、アトラス大陸の首都「ヘラクレス」に着いたリュード。


ヘラクレス・・アトラス大陸の中心に位置する首都。この街の中心には定期的に行われる武術大会や、世界一トーナメントへの出場をかけた予選が行われる都市でもある。

リュードはもうすでに世界一トーナメントへの出場権を手にしているが、明日に練習試合をここの闘技場で行うのだ。


「さて、明日に備えて早めに休もう」


リュードは近くの宿へと入っていった・・。

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